は、たまーに匿名はてなで投稿されるはてな文学というジャンルだ。
(星新一の)SSのような物が投稿されると一気に浮上する。
私も好きだ。
ところで私は世にも奇妙な物語と言った「ちょっとひねってるもの」が苦手である。
オチがわからず知恵袋で調べて「そういうオチなんです(笑)」というBAを見つけるといらだちすら覚えます。
例のごとく、今回もよくわからなかったので
一節ごとに噛み砕いてストーリを把握したいと思います。
無粋かもしれませんが。
つきあって一年ぐらい経過し、
とそわそわしていたら、
ここまで理解可能。最初の二行で「彼女」が三人称ではなく「ガールフレンド」という意味を持つことに注意する。私は童貞なので「お年ごろ」がわからないが20台前半ではそうは思わないだろう。
LINEがアプリのことなら時代は「現代」だ。
「実は私、男なんです」
トランスジェンダーってこと?
って訊いたら、
「いや、そうじゃなくて性自認も男だし、身体も男だし、社会的にも私生活でも男だよ?」
とのこと。
ガールフレンドから衝撃の告白。???が3つあることから想定されてなかった内容であることがわかる。
ココでキーワードになりそうな「主人公(性別不明)」が訊いたトランスジェンダーについてWikipeる。
トランスジェンダーの正確な定義は不断の変化を続けているが、次の概念を含む。
難しい概念である。トランスジェンダーの友人がいない、もとい友人がいないので実証をえるわけではないが
(性自認)のあり方が精神疾患であるとの差別的ラベリングを忌避するために、1980年代末よりその当事者が自称として用い始めた用語である。
と書いてあるので差別的な意味を持たない性自認と理解していいだろう。こういう難しい概念(定義)を保つワードを使うことでより難解な話を作りだされている。
しかしガールフレンド♂は『性自認(自分では男だと思ってる)~~略』と言っているのでいわゆるオカマさんではないようだ。つまり普通に男。ただし男のことを性の対象とは見ていないという感じか。
つまり??
俺は男と付き合っていたのか???
たしかにセックスするとき彼女の股間からチンコみたいなものがぶらぶら生えてたし、
なんかおかしいなあ、エロ漫画で読んだのと違うなあと訝しんではいたけれど……
ということは、おまえはホモだということか?
ちょっと長いので分割。女性だと思っていた人が「男」で性行為するときは男性の象徴を確認していた
が、
女性だと思い込んでいた。
そして、しばしば違和感があった。
「エロ漫画」も重要なワードだと思う。日本のエロ漫画は様々なジャンルが有り、今回の内容で言うと男性の象徴(つまるところのちんこ)が生えている女性と性行為するというジャンルもある。(通称ふたなり)
私はこの趣向を持っていないので理解し難いが界隈ではメジャーなジャンルであるのは確かだろう。
すなわち主人公が読んでいたエロ漫画によって「主人公が勘違いする理由がわかる」ともいえる。
エロ漫画で読んだのが一般的な性行為するものだと「ちんこ」があることはおかしいと思うはずだし、一般常識からしてもおかしいとわかるはずだ。
もう一つ。最後の一文「ということは、お前はホモだということか?」
ホモは蔑称の意味を持つこともあるが、一般的に「同性愛者」の意味である。性自認が「男」(つまり同性愛者ではない)と述べているのにこの質問は愚問だ。
テンパっていることが伝わる。
ヘテロはホモに対して余り浸透していないが、日本語で言うとホモの対義語、つまり異性愛者である。
わたしも多くの人間と同じく異性愛者だが彼女はいない。
二行目のツッコミは無視していいだろう。
「もしかして、気づいてないの?
俺が……??
女??
いままで主人公は「男性」(つまり多くのカップルと同じような異性同士である)と思わせる書き方をしていたがこの話では明確に書かれていない。
主人公は女性ではないと考えていた事がわかる。上記の話から「第三の性」の可能性があるが、年頃で「第三の性」であるならヘテロという用語を知っているはず(と考えらる)ので男性だと考えていたのだろう。
「もしかして」が気になる。
最初に「実は私、男なんです」→「ヘテロだよ」という流れがあって「もしかして、気づいてないの?」と聞くのは違和感がある。実はをGoo辞書でひくと
[副]事実を言えば。本当のところは。打ち明けて言うと。
ガールフレンド♂は「主人公」が自分のことを女だと認識している可能性があるので「実は」とつけたのだ。事実を隠していたのだ。
性別を隠していたガールフレンド♂(つまり女性に見せかけていた)は自分が女性だと気がついていない主人公に「本当の性別=女であること」を打ち明けたのだ。
???
男の心である「女性」と男性であることを隠していた「女性」が付き合っていたこととなる。ちなみに「もしかして」は若しかするとであり、意味は
疑いながら推定するさま。ひょっとしたら。
だ。
バカな、と思って慌てて洗面台へ駆け込む。
今まで見たこともないような美貌を放つ、妖麗な美女……。
女性の姿が「女装」なのか「正真正銘の女性の顔つき」であるかは不明。
ただし主人公の主観ではよほどセクシーであるらしい。
もうあなたとは付き合えない。別れよう、と。
「どうして急にそんなところになるのか、わからない」
と泣きつかれるが、俺の意志は固い。
確かに相手の性別も自分の性別もわかっていない状況で付き合うのは難しい。
相互の理解が足りないと「年頃の結婚」はできない。ガールフレンド♂がどうして...と言っているが一般的には至極明快である。
最後の一言「別れの理由」だがこれまでの流れを組むと「お互いの性が理解できないから」である。
だが、主人公がLINEで送った内容は違った。
新しい恋人を見つけたんだ。
彼女は今、俺の目の前に立っている。
主人公は洗面台の前、つまり自分の顔を見て「彼女」と言っている。
なるほど。自分自身が「理想の彼女」なので一般的な女性、もといガールフレンド♂はいらないということか。ははーん自己オナニーオチですね。
判明していないこと
- 彼女が性別を隠していた理由
- 主人公が自分の性を認識できない理由
- 主人公のエロ漫画知識
これらの理由を考えるのは難しい、し作者のミスである可能性もある。
だが、もやもやするので無理やりこじつけると「そういうパラレルワールド」もとい
そういうオチなんです(笑)
逆にほぼ確定していること
ガールフレンド♂は私生活でも男でれっきとした「男」
理由は分からないが今まで性別を隠していた。主人公の性認識がおかしいことに今の今まで気が付かなかった。
主人公は女だと知らずに生きてきた。自分の顔が自分の好みの顔である。
以下は漫画「コブラ」のあらすじである。
海賊ギルドとの果てのない闘争に疲れ切ったため、3年前(映画版では2年前、旧TV版では5年前)に自分の死を偽装してアウトローの世界から姿を消す。さらには自らの記憶も封じ、顔も整形手術で美男子風の整った顔立ちからタレ目で団子鼻のややとぼけた印象の顔に変え、貿易会社の平凡なサラリーマン、ジョンソンとして生活していた。
まとめ
今一度ジェンダーについて考える機会となった。
実はややこしいことに似た(?)タイトルの匿名ブログが今朝話題になっていたのだ。
誠に勝手だが勝手にコレの返答記事だと感じてしまった。
私も年頃で彼女がいない現状を見ると「本当に男か」ということに疑問を持たせていただいた。